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小学校で習った「相似や合同」が実はすごく重要だった

いきなりですが、合同って覚えていますか?

二つの三角形があって、辺の長さとか角度が与えられるので、それらを使って確かに同じ三角形であることを証明するみたいな問題です。

 

覚えていないですけど、合同という言葉は小学校5年生で習うみたいです。その時は証明じゃなくて、与えられた三角形と同じ三角形を定規やコンパスで描くという問題のようです。

似たようなもので、相似というのもありましたね。

形は同じだけど、大きさが違う三角形などです。

 

で、この合同や相似の何が重要かというと

 

この「同じ」という概念が大学の数学以降で頻出するということです。

 

例えば、あの刑事ドラマと今季の新しい刑事ドラマはよく「似ている」という同じさだったり、あるスマホアプリと別のスマホアプリは機能がほとんど同じだったり。

全く一緒ではないんだけど、「同じ」と言いたくなる場面は日常でも結構あるはずです。

 

三角形の合同は、置いてある場所や置き方(ちょっと回転している)というのは無視して形や大きさだけで同じかどうかを判定する方法です。

相似は大きさも無視して、同じ形かどうかだけを判定します。

 

合同を習う前の同じというのは量として全く同じを意味するイコール=でした。

これは2という文字が持つ量と5-3が持つ量が同じという意味で、

2 = 5 - 3

と書きました。

では量以外のものを同じというためにはどうしたらいいのか、というのをちゃんと考えたのが合同や相似になります。

 

ちょっと話を戻して、刑事ドラマを思い出してみてください。

刑事ドラマの同じというのを計る場合に、どのような方法があるでしょうか?

話数が同じ、展開が同じ、主演が同じ、犯人役が同じ、同じ実話を元にしているなどありますね。

話数が同じという基準を採用してしまうと、ほとんどのドラマが同じになってしまって、同じとみなすことに意味がないような気がします。

私たちが刑事ドラマが同じと日常会話で話す場合は展開が同じ、あるいは複合条件として展開と主演が同じなどがしっくり来る気がします。

 

と、こんな感じで、同じを扱うにしても方法がたくさんあるわけです。

 

数学で言えば、

同じ数で割った余りが同じという意味の「合同」や、

圏論における「自然同型」、

群論の「同型写像」、

関数解析では「ほとんど至る所で同じ」なんてのもあり、

非常にたくさんの種類の「同じさ」が登場します。

数学でも、日常と同じように、全くではないんだけど、似ているから同じになるための条件を緩めて同じと思いたいというのがあるんですね。

「条件を緩めて同じと思いたい」というのは別の言い方をすると、抽象化になりますかね。

 

合同や相似は大学数学以降大量に出てくる「同じさ」の一端を先取りしているように思います。

全く同じではないものを、条件を緩めて同じと見なす概念というのは非常に重要で、実はその概念を小中学校では三角形の合同や相似を通して学んでいるということでした。